2021.11.06
肩関節石灰沈着性腱板炎が鍼灸治療で改善した1症例
【患者】
40代 女性 主婦
【主訴】
肩痛
肩関節石灰沈着性腱板炎
【既往歴】
逆流性食道炎
【現病歴】
転倒して右半身を強打し、右肩に強い疼痛が出現。
日を追うごとに肩の痛みが強くなり、髪を整えたり、衣類の着脱時に激痛が生じ、日常生活に支障を来している。
整形外科では肩関節石灰沈着性腱板炎と診断され、手術をしなければ治らないと言われた。
【症状の発生機序】
転倒により、足少陽胆経上の血流が悪くなり、痛みが生じる。
さらに、ストレスが加わることで血流をより悪化させ、痛みが慢性化する。
流れの悪い古い血液が肩で渋滞している状態。
【治療方針】
・気持ちを落ち着かせてストレスを軽減させる
・流れの悪い血流を改善する
上記の効果を持つ経穴1ヶ所に鍼治療
【予後】
治療直後、肩関節痛が軽減(VAS10→3)し、関節可動域が改善する。
治療間隔が1週間空くと、痛みの程度が多少戻るものの、8診目には日常生活は問題なく送れるようになった。
20診目に痛みが完全に消失し、関節可動域は左右同等になった。
肩関節石灰沈着性腱板炎と診断された病院で再度検査をすると、石灰が消失していると言われる。
以後、肩痛は再発していない。