2025.07.12
どこに行っても治らない下痢は、東洋医学で改善できるのか?〜慢性下痢・過敏性腸症候群に悩むあなたへ〜

はじめに:検査で異常がないのに、なぜ下痢が続くのか?
「どの病院でも“異常なし”と言われたのに、下痢が止まらない」
「薬を飲んでも、その場しのぎで根本的には何も変わらない」
そんな悩みを抱えていませんか?
実際に当院にも、「もう何年も下痢が続いていて、病院では打つ手がないと言われた」という方が数多く来院されます。
現代医学では見つけられない不調の“本当の原因”が、実は東洋医学の視点から見えてくることがあります。
東洋医学的な視点:原因不明の下痢に対するアプローチとは?
① 湿熱(しつねつ)の下痢
特徴: 湿気と熱が腸にこもり、胃腸を傷害している状態
主な症状:
- 黄色や緑っぽい泥状~水様便
- 臭いが強い
- 残便感、肛門の灼熱感、口渇があり飲みたくない
🔸こんな人に多い:
脂っこい食事や飲酒が多い人、辛い物、甘い物など暴飲暴食を繰り返すタイプ
治療方針: 湿熱を除き、腸の熱と滞りを解消する
② 寒湿(かんしつ)の下痢
特徴: 冷えと湿気が腸を冷やして、消化吸収が滞る状態
主な症状:
- 無臭〜軽度臭の水様便
- 腹痛があり排便すると緩解する
- 温めると腹痛が軽くなる
🔸こんな人に多い:
冷たい飲み物・食べ物が好きな人、夏でも手足が冷える人、エアコンの効いた環境で働く人
治療方針: 寒湿を散らし、脾胃を温めて機能を高める
③ 食積(しょくせき)の下痢
特徴: 食べ過ぎや早食いで未消化物が腸にたまり、大腸の機能が失調している状態
主な症状:
- 腹部膨満、腹痛を伴う下痢(出すと軽くなる)
- 便が腐卵臭で、口臭がある
- 食べ物の臭いを嗅ぐのも嫌がる
🔸こんな人に多い:
早食い、夜遅くの食事が多い人、お腹が空いていなくても習慣や付き合いで無理に食べる人
治療方針: 食滞を解消し、消化機能をスムーズに戻す
④ 肝脾不和(かんぴふわ)の下痢
特徴: ストレスなどで「肝」が緊張し、「脾胃」が抑えつけられて機能低下する状態
主な症状:
- 出勤前、緊張時などストレス時に下痢
- 便意はあるがスッキリしない
- イライラ、ため息が多い
🔸こんな人に多い:
真面目でストレスをためやすい人、責任感が強いビジネスパーソン、気を遣いすぎるタイプ
治療方針: 肝の気を巡らせてリラックスさせ、脾を安定させることで消化機能を回復
⑤ 熱結傍流(ねっけつぼうりゅう)の下痢
特徴: 腸内に熱と便がこもって詰まり、その隙間から水だけが漏れ出るタイプの下痢
主な症状:
- 硬い便のあとに悪臭のある水様便
- お腹が張る、腹痛、腹部の圧痛
- 排便してもスッキリしない
🔸こんな人に多い:
高熱を伴う風邪が長引いた人
治療方針: 腸の熱を冷まし、便通をスムーズにする
⑥ 脾気虚・脾陽虚の下痢
特徴: 消化吸収をつかさどる「脾」の機能が低下して起こる慢性下痢
主な症状:
- 食後に下痢が起きやすい
- 疲れるとすぐお腹を壊す
- 食欲がない、顔色が悪い
🔸こんな人に多い:
体力がない、疲れやすい人、朝食を抜きがちな人、冷たいものを食べてお腹を壊しやすい人
治療方針: 脾を補い、気を増やして体力回復へ導く
⑦ 腎虚・腎陽虚の下痢
特徴: 腎陽(生命力)が不足し、冷えとともに下痢が慢性化している状態
主な症状:
- 明け方に毎日同じ時間に下痢(五更瀉)
- 足腰の冷え、だるさ
- 頻尿、夜間尿、耳鳴り
🔸こんな人に多い:
高齢者、慢性疾患のある人、冷え性・下半身の不調を感じる人、性行為が多い人
治療方針: 腎陽を温め、脾腎の機能を取り戻す
参考文献『症状による中医診断と治療』上巻 燎原
下痢が慢性化する代表的なパターンとは?
現代医学の診断名だけでは分類しきれない「慢性下痢」の実態。
次のようなケースで悩んでいる方が多くいます。
- ✅ 食後すぐにお腹がゆるくなる
- ✅ 緊張するとトイレが気になって仕方ない
- ✅ 毎朝の通勤前に必ず下痢になる
- ✅ 整腸剤を飲んでも改善しない
- ✅ 病院では「異常なし」と言われ、行き場を失った
こうしたケースでは、「体質と生活習慣の積み重ね」が原因となっていることが多く、東洋医学の得意分野です。
東洋医学と現代医学の違いとは?
項目 | 現代医学 | 東洋医学 |
---|---|---|
診断 | 病名で特定 | 体質・バランスで分類 |
治療 | 薬で抑える | 鍼灸や食養で整える |
アプローチ | 局所治療 | 全身のバランス調整 |
ゴール | 症状の軽減 | 根本原因の解消と再発予防 |
現代医学は「異常を見つけて排除する」視点、
東洋医学は「機能がなぜ乱れているのか?」を問う視点
症例紹介:どこに行っても治らなかった下痢が改善したケース
🌿 ケース①:50代男性・毎朝トイレに3回行くほどの腹痛を伴う下痢
- 5年以上毎日強い腹痛を伴う水様の下痢
- 胃腸の薬を飲んでも改善せず
- 鍼灸治療+生活習慣の見直しを3ヶ月継続
- 下痢は一切なくなり、毎日スッキリバナナ状の便が出るようになった

よくあるご質問(FAQ)
Q:薬を飲んでいますが、併用は可能ですか?
→ はい、可能です。併用しながら状態を観察し、徐々に薬に頼らず自力で改善できる体に整えていきます。
Q:どのくらい通えば良いですか?
→ 体質によりますが、3ヶ月程の継続施術で明確な変化を感じる方が多いです。
Q:食事や生活習慣の指導もありますか?
→ はい、東洋医学では“養生”が最も重要です。冷飲食・夜更かし・過労なども丁寧にアドバイスします。
当院が「本気で悩む人のため」に敷居を高くしている理由
当院は、いわゆる“気軽に通える鍼灸院”ではありません。
初診は最大3時間かけて、じっくりと体質を見極め、治療方針を立てます。
✔ 本当に困っている方の“最後の砦”としてお力になりたい。
そのため、初回は敷居をあえて高く設定しています。
まとめ:その下痢、“体質だから”とあきらめないでください。
「もうどうにもならない」
「一生このままなのかも」
そう思った時こそ、違う視点が必要です。
東洋医学の視点から、あなたの体に今何が起こっているのかを一緒に紐解いていきましょう。